建設業の許可
日本全国にその名を知られた所謂大手ゼネコンから、はたまた地方の中小ゼネコン、或いは地方の工務店レベルのところまであります。
ですがこのうちの何れのタイプに属する建設業者であろうと、建設を生業とし、営業を行うには全て関係部門の許可が必要です。
またこれらの建設業者の中には従業員がおらず、事業主一人だけで作業を行っている建設業者もいます。
他に従業員を抱えずに一人で行っている建設業者と一般のゼネコン業者を同列に論じることには違和感を感じます。
そうなるとそれは建設業者ではなく、まるで自分の腕を頼りにした昔気質の個人営業の職人のような人をイメージします。
このようなタイプの建設業者の場合は、一人親方という名称で呼ばれることがあります。
このように極めて小規模で、建設業者と呼ぶよりも建設職人と呼んだほうが適切にも思える建設業者ですが、例えそうであっても規定された規模の範囲を超える工事を行う場合、たとえ事業主一人の建設業者の場合であっても建設業許可が必要となります。
このような書き方をした理由は、実はこうした許可を受けなくてもよいケースがあるからです。
軽微な建設工事のみを請け負って営業する建設業者は、必ずしも許可を受けなくてもいいことになっています。
ここではあくまで軽微な建設工事のみ、というのがミソです。軽微でない、即ち相当規模の建設工事を請け負う際には許可なしではできません。
ちなみにここで言う軽微な工事の内容、範囲はというと、建築一式工事の場合で言うとその一件の工事請負代金の消費税を含む金額が1,500万円未満の工事である場合、または延面積が150平方メートル未満の木造住宅工事となります。
建築一式工事以外の建設工事
また建築一式工事以外の建設工事の場合には、その一件の工事の請負代金の消費税を含む金額が500万円未満の建設工事の場合を言います。
やや複雑な説明になってしまいましたが、これがここでいう小規模工事の範囲となります。こうした小規模工事のみを請負う場合には、必ずしも建設業許可を受ける必要はありません。
ですが近年、所謂住宅リフォームに関する問題が多く言われるようになっています。このリフォーム問題の殆どは、こうした建設業許可を受けていない建設業者が引き起こしているのが実態です。
私達が自分の家をリフォームする際、よく知らずに無許可の建設業者に発注してしまい、その結果所謂リフォーム問題に巻き込まれてしまうことは、私達の誰もが遭遇し得ることです。
ですがこうした無許可の建設業者に関するトラブルは、何も私達だけが関わる問題ではありません。
例えばある建設業者が、下請業者に建設工事を発注する際にも、上記金額を超える請負契約を締結する場合、下請業者が建設業許可を有しているかどうかを確認しておかなければなりません。
万が一無許可の建設業者に発注してトラブルとなった場合、該当の無許可の業者が罰せられるだけでなく、建設工事を注文した側にも責任が生じてしまうので十分な注意が必要となります。
以前、つい習慣でいつもの下請業者に建設工事を回したのですが、その下請業者の所謂建設業許可範囲を確認していなかったため、下請に出した仕事がその下請業者の許可された業種に当たっておらず、その結果元請、下請のっ両者が無許可営業として処分されてしまったケースがありました。
では建設業者にとって、建設業の許可を取ることはどういった意味を持つのでしょうか。建設業の許可を得ると、毎年の決算の届出等が義務付けられるようになります。
つまり行政からの監視が強まり、不透明な営業ができなくなります。
その一方で、許可を得たことでお墨付きを得たことになり、法律違反、即ち無許可営業とはならなくなります。
また許可を得ることで消費者からの、そして社会からの信用度が高まります。そして経営事項審査を受けて、公共工事やその入札に参加できるようになること等のメリットがあります。
ちなみに建設業許可は5年更新制となっており、これは私達の乗用車運転免許と同じです。また有効期間が満了する前に、更新の許可申請をする必要があります。
当然ながら許可を更新するためには様々な要件が存在し、それらを満たしていないと許可は下りません。許可が下りないと営業ができません。
従って許可の更新にはどこの建設業者もたいへん気を遣っています。
また許可期限が満了する前に許可の更新を申請すれば、許可が下りるか否かの判断が下るまでは、従前の許可番号で営業が可能です。